Make a Memorandum

40代サラリーマンによる、その時興味を持つものについて節操無く書き残した記録です。

直感とヤマ勘の違いを意識しておこう

ある程度の立場になると、大小あれど、何らかの判断を下す場面に出くわします。

その際、すべての場合において必ず正しい判断ができるとは限りませんね。

 

よく考えていく中で、虫の知らせがあるなどのことで直感や第6感が働いて決定を下し、結果として良い方向に物事が進むこともあると思います。

 

私の所属するITの現場で具体例を挙げるとすると、新システムの性能設計などの際にこの直感がかなり重要だったりもします。予想されるユーザー数や、ピークを迎える時間帯、類似システムの実績など、収集可能な情報を集めて分析した上で、最後の安全率をどの程度に置いておくか、といったところは、まさに直感に聞くところもあります。ここでとにかく予算を削るためにその直感を無視してしまうと、結果として性能不足を招くこともあります。

言葉にするのが難しいところなので発注側へは説明がしづらい部分なのが、傷ですね。

 

さて、不確定な将来に向けての何らかの決定の際に働く直感ですが、これを勘違いしている人がいます。それがヤマ勘で物事を決定する人です。ヤマ勘で物事を決定している人は、自分では直感が閃いたつもりでいますが、それはただの当てずっぽうと大差がありません。

 

直感は、これまでの経験を踏まえた上での現在の状況に合った発想であり、経験を積んでいる人ほどその精度が高いものです。

ファーストチェス理論というものがあります。ファーストチェス理論では、「5秒で考えた手」と「30分かけて考えた手」は、実際のところ86%が同じ手であるということが実証されており、特に経営会議などの場では、前者で決めて早く行動を取ることに集中したほうが良いとされています。

 

直感の精度に関しては、先ほど申したとおり、これまでの経験が豊富であるほど精度が高いと言えますが、精度を高める努力をしてきたかということも大事だと思います。

これは仮説を立ててから行動し、その結果と立てた仮説とを比較することを繰り返すことで精度が高まることになります。(仮設の精度を高めている意味合いにもなりますが、ある程度の情報量から将来を予測するという観点では同義と考えて良いと思います。)

つまり、先ほどのファーストチェス理論に立ち返ると、チェスなり経営判断なり、それなりの経験を積んできたことと、精度を高める努力をしてきた人にのみ使える理論であり、ただのど素人が浅い考慮でこの理論に乗っかってしまうと、ただのヤマ勘であって、決して有効性の高い手法ではないのです。

 

昨今のインフルエンサーさんたちの語り口調としては、失敗してもまたそれを経験として早く次の行動に移りなさい、とにかく考えずに行動してみなさい。という内容がよく踊っています。これを勘違いしてはいけなくて、ずっと無考慮で無鉄砲に行けとは言っていません。失敗の経験から直感の精度を上げ、成功を掴み取るための確度を高める努力をしなければ、その失敗は何の意味も持たないものになってしまうのです。

まとめ

直感は経験に裏打ちされたものであり、その精度を高めることができる。

ヤマ勘は直感には程遠く、当てずっぽうなのでやめた方が良い。